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現代型SB クロップがアーノルドを使う理由

アーノルドにあって

クラインにないもの

現代のSBに求められるもの

 

開幕戦で右SBに起用されたのはアーノルドであった

8月12日のウェストハムとの開幕戦、そのスタメンに名を連ねたのはクラインではなくアーノルドでした。

このブログでも何度か書かせていただいたが、プレシーズンのはじめから、ケガから復帰したクラインは絶好調で良いパフォーマンスを披露していました。

アーノルドはワールドカップにも参加してチームへの合流も遅かったので、序盤戦はクラインが起用されるのかなと思っていましたが、クロップは今シーズンもアーノルドをファーストチョイスとしているようです。

SBの経験値ではクラインに一日の長がありますが、それでも19歳のアーノルドを起用するのはなぜなのか。

そこには現代のSBに求められる役割と監督の志向するスタイルにあるのではないでしょうか。

素人目線ではありますが、あらためてリバプールの右SBについて考えてみたいと思います。

 

SBの司令塔化

ということで、まずは現代サッカーにおいての理想のSB像というものを見ていきたいと思います。

 

近年欧州サッカーのトレンドのひとつでもあるのが「サイドバックの司令塔化」。

その名のとおりサイドバックにゲームを作れる選手を配置するということですね。

代表的な選手で言えばレアルのマルセロやバイエルンのヨシュア・キミッヒ、また一時的ではありますがバルセロナはセルジ・ロベルトを、シティは昨シーズンデルフを起用していました。

マルセロはもともとSBの選手ですが、ほか3人は普段はMFの選手です。

リバプールも人手不足ということもありましたが、ミルナーが左SBをやっていたこともありますので、このMFのSB起用というのは当然意図してやっているものと思われます。

その意図とは、安定したビルドアップを行うためですね。

現在はCBやGKにも足元の技術が求められる時代ですから、後ろの選手の試合を組み立てる力というのは重要なファクターです。

実際リバプールでもミルナーが左SBをやった時の方がモレノが入った時よりもビルドアップのミスも少ないですし、安心して見ていられましたからね。

では足元が上手ければそれでいいのかというと、もちろんそうではありません。

こちらの↓↓記事に現代のSBに求められることとしてこう書いてあります。

 

キミッヒは、SBの未来像である。 ドイツ発の分析サイトが絶賛 | footballista

現代のSBは2つの要素を併せ持つ必要があるのだ。

強烈なプレッシングの中でも慌てずボールをキープして正確なパスが出せること、そしてスピードとそれを生かした突破力。

 

つまりは、以前までのサイドラインをアップダウンし攻守に奔走するアスリート的能力だけではダメですよ、ということ。

 

それを踏まえると、なぜアーノルドがスタメンなのかも見えてきます。

 

アーノルドのパス能力

もちろん監督のスタイルによってSBに求められることも変わってはきますが、ことリバプールに関してはクロップはアップダウンを繰り返せるアスリート的な能力にくわえて、正確なパスがだせる足元の技術を求めているように思います。

だからこそのアーノルドの起用なんですね。

 

開幕戦のウェストハム戦の先制点のシーンを思い出してください。

ケイタがドリブルで引きつけて、ロバートソンが正確なクロスを入れて、サラーが詰める。

という流れでしたが、そのひとつ前、ケイタにパスが入ったシーンを思い出してください。

ちょうど良い動画がツイッターにありましたので引用させていただきます。

 

アーノルドが4人の相手選手の間にパスを通しケイタに届けたことで攻撃のスイッチが入りました。

これこそクロップがアーノルドに期待しているプレーではないでしょうか。

クラインもつなぐ技術はありますが、このパスのようなスイッチを入れるパスは持っていません。

引いて守ってくる相手への取りこぼしがリバプールの課題としばらく言われてきましたが、後ろの選手が相手の守備ブロックの中に正確な楔をビシッと入れられるかどうかは取りこぼしを減らすひとつの要因だと思います。

 

そういう点ではスピードと運動量があり、なおかつ多彩なキックを持っているアーノルドは現代のSBにピッタリ。

そんな選手がスカウサーだというのだから使わないわけにはいかないですね。

まだまだ攻守において荒削りな部分も多いですが、開幕戦のあのパスを見てクラインではなくアーノルドなんだなと、ふと思いました。

 

まとめ ~アーノルドはSBの未来像か?~

先程紹介したフットボリスタさんの記事では「キミッヒはSBの未来像であり、来るべき未来の選手像を体現している-」とまで書かれている。

つまり!!アーノルドにもその素質があるのでは?

まぁ正直なところブンデスの試合はほとんど見ていないのでキミッヒという選手がどんなプレイヤーなのかまで把握してはいないのですが、

彼がここまで賞賛されるのであればアーノルドも近い将来そんな選手になっているのではないか?そんな風に思います。

 

今回の開幕戦スタメン起用は「新シーズンもアーノルドを軸にしていく」というクロップからのクラインへのメッセージだったようにも思います。

ただ忘れてはいけないのは、決してクラインがSBとして劣っているわけではないということです。

例えば今までの試合のレーティングを比較したらクラインの方が高いアベレージを出すと思いますし、シーズンを通してムラがなく安定して高いパフォーマンスを継続してくれます。

アスリート的能力も非常に高いですし、攻撃参加も抜群に上手です。

総合的な能力でいったら僕はまだクラインのほうが上だと思っています。

 

このブログでもなんどかクラインとスタリッジへの完全復活の期待を書いてきましたが、長いシーズンの中で彼らの力が必要になる時が必ず来るでしょう。

その時のためのに100%の準備をしておいていただければと思います。

 

そしてアーノルドには今シーズンのさらなる急成長を期待したいと思います。

この特大の原石をクロップなら必ずダイヤモンドにしてくれることでしょう。

TAAの活躍から目が離せませんね!

最後に昨シーズンのアーノルドの最高のアシストが飛び出したボーンマス戦を見てこの記事を終了したいと思います。

このハイライトを見ると、優秀なパサーが多いことがリバプールにとっていかに重要かがよくわかると思います。